第2回JXIVA講評
2025年11月1日に実施された第2回JXIVAにつきまして、28名の皆さまに受験いただき、誠にありがとうございました。無事に執り行われたことをお知らせいたします。
今回は、Basic、Advancedの2段階の設定としました。共通問題15問に加え、Basic10問あるいはAdvanced10問を選択して答えていただきました。全25問、回答時間は55分でしたが、早期退室者もおらず、じっくりと取り組んでいただけたものと考えます。事後の検証で、除外問題は設定せず、ご回答いただいたすべての問題を採点対象としております。問題作成にご協力いただいた皆様に、この場を借りて深く感謝申し上げます。
結果的に、17名の受験者が合格者となりました。中でも優秀な成績で合格された方を優秀合格者とさせていただきました(詳しくは、JSIVAのホームページで参照できますhttp://jsiva.net/1st_jxiva_results/)。今回も、一定以上得点された受験生が、そのなかでもどの位置づけにあるかを、ステータス(ダイアモンド、プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズ)という形で示させていただきました。
JXIVAは、受験者の静脈麻酔の臨床実践のための知識および技術の習得・確認、およびより専門的な知識を深めることを目的としております。いわゆる多肢選択式(一部計算や、正解の選択肢の個数が明記されていない問題もあります)を採用しておりますが、日常的にTIVAを行っているだけではほとんど正解できない、達成水準が詳細に反映された作問となっています。今回は第2回試験ではありますが、いわゆる過去問の情報や問題形式の参考資料は限られており、受験者にとってはいまだ対策しにくい状況であったと考えます。
その条件にあっても、多くの受験者が基本的な内容をしっかりと学習し、試験に臨んでくださっていることがうかがえました。中でも、脳波および処理脳波指標の解釈、プロポフォールのクリアランスに影響する因子、適切な静脈路構成、PRIS、Context-sensitive decrement time、ロクロニウムとスガマデクスの基本的知識、筋弛緩モニタリング上の注意点、そして薬力学モデルの概念について、高い正答率が認められました。計算問題の正解率も、低いものではありませんでした。
一方で、正答率が低かった問題や選択肢として、アイソボログラムの深い解釈、TCIポンプ画面に表示される情報の深い解釈、レミマゾラムの特徴(キーとなる論文の、図の深い解釈)、デクスメデトミジンの一般的な特徴、脳波指標のより進んだ解釈、そしてke0の臨床的な意味の理解等が挙げられます。これらは実臨床で重要である他にも、静脈麻酔関連分野における学会発表や、論文執筆において不十分になりやすい内容です。今後のJSIVAによる情報発信に反映させていきたいと考えています。
本試験を通じて、受験者の皆さまがご自身の得意分野と課題を見つめ直し、今後の学習や、臨床実践、そして症例報告や研究にも役立てていただければ幸いです。
最後に、本試験の実施にあたりご尽力いただいたすべての関係者の皆さま、ならびに受験者の皆さまに深く感謝申し上げます。今後も試験内容および運営の向上に努めてまいりますので、引き続きご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
JXIVA委員会 委員長 小原伸樹
第1回JXIVA講評
2024年11月30日に実施された第1回JXIVAにつきまして、82名の皆さまに受験いただき、誠にありがとうございました。順調に実施されましたことをお知らせいたします。
今回は、全25問、解答時間は55分でした。早期退室者も少なく、受験者にとって手ごたえのある問題だったのではないかと考えます。極端に正答率や識別指数の低い問題は確認されておらず、試験としての公平性や信頼性が保たれていたと考えます。これは、問題作成に携わった多くの関係者の努力の賜物であり、この場を借りて深く感謝申し上げます。
本試験は、受験者の静脈麻酔の臨床実践のための知識および技術の習得・確認、およびより専門的な知識を深めることを目的としております。資格試験、認定試験ではなく検定試験であり、達成していただきたい水準がそれぞれの問題および選択肢に明確に反映されています。従って、いわゆる麻酔の臨床マニュアル本や、実地経験のみで得た知識のみでは対応困難な問題構成であったかもしれません。加えて、いわゆる過去問や問題形式の参考資料が存在しないことから、受験者にとっては対策しにくい状況であったと考えます。このような条件にあっても、全体的に想定を上回る好成績であり、多くの受験者が基礎的な内容をしっかりと理解されていることがうかがえました。
中でも、フルマゼニルによる拮抗のリスク、小児患者におけるプロポフォール投与の注意点、TCIポンプ使用上の注意点、人工心肺中の薬物動態・薬力学といった臨床上重要なポイントにおいて、加えて初学者が躓きやすいcontext-sensitive decrement timeやresponse surface modelの解釈についても高い正答率が見られました。受験者の皆さまが、日頃の学習成果を臨床としっかり結び付けている成果だと感じております。また、計算問題も出題され、思わず身構えた受験者もおられたのではないかと思いますが、比較的多くの受験者が正解しておりました。
一方で、正答率が低かった問題や選択肢として、薬物動態・薬力学モデルパラメータの解釈、ケタミンやデクスメデトミジンの特徴、プロポフォール投与時のライン構成や器具の素材について、術中覚醒記憶の疫学に関する問題等が挙げられます。これらは実臨床のみならず、静脈麻酔に関する症例報告や臨床研究を行う際にも重要なポイントでので、今後JSIVAとして、様々な機会において情報発信に努めてまいります。
今回、一定以上得点された受験生が、そのなかでどの位置づけにあるかを、ステータス(ダイアモンド、プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズ)という形で示させていただきました。上位5名につきましては、優秀合格者としております。また、今回はブロンズの得点層につきまして、合格とさせていただいております。
本試験を通じて、受験者の皆さまがご自身の強みと弱みを把握し、今後の学習に活かしていただければと考えております。これからも静脈麻酔分野の知識を深め、さらに力をつけていかれることを心より応援しております。
結びに、本試験の実施にご協力いただいたすべての関係者の皆さま、そして受験者の皆さまに改めて感謝申し上げます。今後も、試験内容や運営の改善に努めてまいりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
JXIVA委員会 委員長 小原伸樹