2022 年 11 月の第 29 回日本静脈麻酔学会総会において皆様のご承認をいただき、代表理事に就任いたしました木山秀哉です。

これまで静脈麻酔学会（JSIVA）学術集会では、一般演題、特別講演、シンポジウム等、いずれも熱い討論が繰り広げられてきました。自由に発言できる雰囲気が JSIVA の魅力であると同時に、静脈麻酔の分野にそれほど関心が高くない方々には敷居が高い印象を与えてしまい、学会参加を敬遠する一因になっていたかもしれません。術中に神経機能モニタリングを行う手術の増加、術後悪心嘔吐予防などの理由で全静脈麻酔（TIVA）が選択されることが増えています。2020 年には日本で四半世紀ぶりの新しい静脈麻酔薬、レミマゾラムが登場して TIVA の選択肢が広がりました。プロポフォール、レミマゾラムそれぞれの特徴を理解して使い分ける時代が始まっています。率直に申し上げてこれまで JSIVA からの情報発信は非常に限られたものでした。今般、JSIVA に教育委員会、リコメンデーション作成委員会、広報委員会を設置しました。TIVA の教育、普及に向けたさまざまな活動を進めてまいります。毎秋の JSIVA 学術集会だけでなく麻酔関連学会、研究会等と連携した TIVA ハンズオン企画も実施していければと考えております。TIVA が安全、適切に行われることにより、周術期医療の質を高める一助となれば幸いです。開かれた JSIVA へのご支援、ご参加をよろしくお願い申し上げます。

令和５年１月
日本静脈麻酔学会　代表理事
木山秀哉（東京慈恵会医科大学麻酔科）